「私は、鈴様のSPでございます」
SP・・・?あたしのSPは沙紀のはずでしょう?
なのに目の前には見知らぬ男・・・つまりは、沙紀じゃない人に変更になったってこと。
「違う」
認めることが出来なくて、あたしはそう首を横に振った。
「鈴様」と咎めるように、目の前の男があたしの名前を呼ぶ。
「あたし、アンタなんかに守られるくらいなら一人でいた方がマシ!」
鈴様、なんて呼ばれたくない。
そんな意識を込めて再度睨み付けると、あたしはすぐにその男の横をすり抜けた。
「どちらへ?」
パシッと音を立ててその男があたしの腕を掴む。
「神谷先生のところよ」と答えると、
「旦那様はもうすぐ出張に行かれるお時間です」と彼は答えた。
なによ、だったらますます時間がないじゃない。
あたしは全力で彼の腕を振り払った。
「止めないでよ!あたしは神谷先生に用事があるの!」
「・・・はぁ」
わざとらしいため息を彼はついた。
それにさらにイライラがヒートアップする。

