「鈴ちゃん!?」と驚いた龍世君が、すぐにあたしの元に駆け寄って来る。
「何やってるの!今は絶対安静だよ!?」
「直談判」
「え?」
「神谷先生に、直談判しにいく!」
そう断言して、あたしはすぐにドアに向かう。
「鈴ちゃん!」と龍世君があたしの腕を引っ張って引き留めようとするけれど、
それさえもあたしは振り払う。
「いいから!」
神谷先生は部屋よね!?と聞くと、その勢いに押されて龍世君が頷く。
それを確認して、ドアノブに手を掛けた瞬間だった。
「騒々しいですね」
そんな声と共に、ドアが開いた。
その台詞は一瞬沙紀ではないかと疑ってしまうほど。
けれど、顔を上げればそこにいたのは、見たことも無いような男の人だった。
調教師のような厳しい鋭い瞳が、色つきめがねの向こうからこちらを見ている。
「・・・誰?」
あたしもにらみ返して、そう問いかけた。
そして返ってきた返事に、愕然とした。

