たしかにそんなことはあったけど。
黙ったあたしに、龍世君はさらに言葉を続ける。
「決定打は今回の誘拐事件だ。
何事も無かったけれど、確かに君は危険な目にあったね?
最近の沙紀は、SPとして目に余る失態が多すぎる」
そんな・・・とあたしは呆然と呟いた。
だって、どれもあたしの勝手な行動が招いたことなのに、どうして沙紀が咎められるの?
まさかこんなことになるなんて思わなかった。
「沙紀・・・」
一瞬愕然として固まったあたしだけど、すぐにその意識を吹っ飛ばす。
あたしの独断で招いたことなら、ケリをつけるのも・・・あたしだ。
「───龍世君、その査問会ってどこでやってるの」
「さぁ・・・ただ決定的な判断は、沙紀の雇い主である父さんがするはずだよ」
「そう」
あたしは龍世君の手を振り払うと、ベッドから降りて点滴の隣に立つ。
そして、テープをはがして針を無理矢理引っこ抜いた。

