Sの法則-平凡姫と俺様SP-




「先ほどお話したとおり、家宝は極めて小さなものです。

小柄な鈴さんの体でもすぐに見つけることは難しく、また球状と言う形態のため臓器間を移動していることが考えられます」

「・・・っ」

「さらに、そのスパイが医学に精通している者だったらしく、手術に忍び込んだ際の隠し場所を聞けば、命に関わる太い血管のすぐそばでした。

よってかなりの危険が伴う上、アフロディーテの捜索に何時間もかかる可能性は否定出来ません」



それじゃぁ絶望的じゃないか。

知識がまったくないあたし達でも分かるようにその危険性を説明してくれたおかげで、不可能という言葉が強く圧し掛かってきた。

黙り込んでしまったせいで起きた沈黙の中、淡々と神谷先生は喋り続ける。



「鈴さんの身の安全を考え、いつかは取り出す手術をしなければならないことは確かです。

しかし、鈴さんは命の危機にさらされるほど大掛かりな手術をした直後。

今はこのように元気に振舞われていますが、少なくとも今後の経過観察と全治までの数ヶ月間、追加手術を行うことは医師として勧めることは出来ません。

不幸中の幸いと言えば失礼にあたるかもしれませんが、形状とサイズから考えて臓器に影響を与えることはないと断言できます」