「神谷学園は、たとえ被害に遭ってもその“被害者”にも否があるという考え方をするんだ。
なぜなら、本来はそんな目に遭わないように常日頃警戒心を持ち、
自己防衛の術を身に付けておかなければならないからね。
僕たちはいつ狙われてもおかしくない立場にいる・・・だからこそ、緊張感を持たなきゃいけないんだ」
あとは、学校に不穏な空気と警戒心をもたらしたっていうのも理由の1つかな。
そんな拳銃向けられたら誰も何も出来ないっつーの。
あまりに厳しい世界観にあたしは思わず眉間に皺を寄せた。
「・・・あれ?でも、待って。だったらあたしは?」
あたしだって捕まったんだ。
むしろそれどころか、自ら捕まりに行ったようなものなんだけど。
ふ、と自分の立場が気になって尋ねると、龍世君はにっこりと王子様スマイル。
「もちろん、鈴ちゃんも謹慎処分だよ」
「ですよねー」
「周囲の迷惑を省みない無鉄砲な行動をしたからって、恵実ちゃんの倍」
一週間、と言いながら龍世君はクスクス笑う。