でも、彼の言葉にあたしははっと気付いて体を起こした。



「そうだっ・・・ってて」

「ダメだよ、鈴ちゃん。まだ体起こしたら痛いよ」



勢いを付けすぎたせいで、お腹に鈍痛が走る。

顔を歪めたあたしの両肩をそっと押して、龍世君はあたしをまた横にしてくれる。

(そういえば、あたし前も内臓破裂?してたのに、あんだけ殴られて点滴一本ってどんだけ丈夫)

その流れの中で、あたしは



「沙紀は?マ・・・メグは?」



と共に事件に巻き込まれた二人の安否を確認する。

その言葉を聞いて、龍世君が苦笑した。

その真意が分からず首を傾げる。



「恵実ちゃんは無事だよ。怪我1つ無かったみたい。ただ・・・」

「ただ?」



苦笑の意味はどうやらその先にあるみたいだ。

急かしたあたしを見て、龍世君は言葉を続ける。



「謹慎処分、になったんだよね」

「謹慎処分!?なんで!?だってメグは誘拐された被害者なんだよ!?」



驚いて声をあげたあたしに、龍世君は静かに首を横に振った。