Sの法則-平凡姫と俺様SP-




「っ・・・」



あたしを守ると言ってくれた沙紀に、あたしは偉そうなことを言った。

『友達を助けられないなら、SPなんていらない』なんて。

違う。

助けるとか、守るとか、そんな言葉は簡単に口にしていいことじゃない。

覚悟と勇気が必要なことだ。

(切れろ、切れろ、切れろ・・・っ!!)



「・・・!!!」



マナを助けられなかったのは弱いあたし。

なのに、あたしは沙紀のせいにしていた。

無力な自分が許せなくて、沙紀に八つ当たりしていた。

本当は沙紀だって、マナを助けたいという思いは一緒だったはず。

その中で、沙紀は“守る”という、自分の覚悟を貫いていただけだったのに。

一度身を引くという選択も、1つの勇気だったのに。



その思いを、

踏みにじったのは、

  あたし  。



(ロープが切れ、あたしは腕を振り回した)