***
「おやおや、起きていたんですね」
犯人がやってきたのは、それから少し経ってからだった。
あたしは小さく舌打ちする。
ロープが切れるまで、あと少しなのに・・・っ!
「おや、随分反抗的な態度を取りますね?」
あたしの舌打ちが聞こえたらしい犯人は、うさんくさい笑顔をあたしに向けた。
「うるさい!なんか用!?」
「・・・僕としても、どちらかと言えばうるさいあなたの方をさっさと片付けたかったんですがねぇ」
どいつもこいつも大きなお世話だっつーの!
わざとらしく困ったそぶりを見せた彼は、
にこりとまた機械的な笑顔をその顔に貼り付けると、マナの方に向き直った。
「宇佐美愛実さん。・・・お迎えの方が、決まりましたよ」
「「・・・っ!!!」」

