大きな交差点の隅っこで、あたしは腕を組んで考える。

独り言を言いながら眉間に皺を寄せた、あからさまに泣いた顔の後の女子高生。

しかも、この辺じゃ有名なブルジョア校の制服。

当たり前だけど、じろじろと見られている。

その注目度合いが恥ずかしくて、ちょうど良く青になった信号を渡りながらあたしは俯いた。



───そういえば、神谷家に来てから単独行動って初めてかも。



だって、SPSPって言いながら、いつもあたしのそばには沙紀がいたから。

そんなことを考えるとなんとなくセンチメンタルな気分になって、あたしはぐっと拳を握る。

・・・ううん、あんなSPならいらない。

あたしにとっては、怪我したって友達助ける方が優先だもん。

そう思い直して、あたしはバチンと自分の両頬を手で叩いた。



「・・・あ」



あたしの奇怪な動きにまた注目されて、あたしは気付く。

そっか、注目されるってことは。

むしろそもそもどうしてあたしにSPが付いてたかっていえば。

あたしだって、端から見たらそれなりにお嬢様で、誘拐される危険も持っているってことだ。

もしかしてこうやって歩いてるだけで、なんとかホイホイ並に犯人が引き寄せられて・・・