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「───は、ともかくどうしようかなー」



とりあえず、タクシーに乗って、マナを乗せた車が曲がってった方に来てみたはいいんだけど。

考えてみれば、別にマナのGPSの発信器と持ってるわけでもあるまいし、行き先なんて分かるはずが無かった。

ため息をついて、電源を切った携帯電話を手で弄ぶ。

だってあまりに電話が掛かってくるから。つい、ね。

電源付けられれば調べられるものを・・・何も機能を果たさない携帯電話なんてただのプラスチックと金属の塊だ。



「おじさん、この辺に誘拐犯が立てこもりそうな雰囲気の建物とかある?」

「誘拐犯!?」



とりあえず、と思って運転手さんに問いかける。

あたしの言葉に、人の良さそうなおじさんが目を白黒させたのがバックミラー越しに見えた。

「たとえばの話です!」と慌ててフォローをすると、

おじさんは少し安心したかのように肩を降ろして息をついた。



「うーんそうだねぇ、あんまり知らないねー」

「ですよねー」