「───実は、あなたの手術を行った医者の中に、当家に対するスパイが紛れ込んでいました」
え?
“スパイ”という日常では聞き慣れない単語に一瞬目を見開いて、
それから理解すると同時に思わず自分の体を見た。
ま、まさかあたしの手術失敗したとか・・・っ!!?
サァーッと血の気が引いたことに気付いたのか、神谷先生は「手術は成功しているのでご心配なく」と慌てた様子でフォローしてくれた。
ホッと胸を撫で下ろしたのはみんな一緒で、どうやら同じことを考えていたらしい。
「スパイはすぐに捕らえ、何が目的だったかを問いただし、つい先ほど自白させることに成功しました」
ごくり、と唾を飲み込む。
だって、スパイってあのスパイでしょ?こう、忍び込む的なやつ。
ドラマ以外で聞いたことない単語が、自分絡みで出てくるんだもん。
何が起きたのか・・・緊張するのは、当たり前でしょ?
神谷先生は言いにくそうに口を数回開閉し、それから意を決したようにあたしの視線をまっすぐに捕らえた。
「───どうやら、鈴さんの体内に、盗み出した当家の家宝を入れたというのです」
「・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・はい?」

