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「だから、それは恋だって言ってるでしょ?バカね」
「そう言わないでちゃんと話聞いてよ、マナ」
「その名前を学校で呼ぶんじゃないの!」
学校初日の放課後。
なんとなく、ののかちゃん達のキャピキャピしたテンションじゃなくて、マナの冷静な突っ込みを受けたいと思ったあたしはマナの元へ。
沙紀には、「教室から出ないから近付かないで!」と言ってある。
(だってこんな話を聞かれるわけにいかないじゃない)
マナが目を三角にしたから「ごめん」と答えたら、マナはふぅとため息をついた。
「だって、SPとしてガミガミ言われるのが嫌なんでしょう?」
「うん」
「でも、やめるって言われたら腹が立ったんでしょう?」
「・・・うん」
「変わらず笑われてるのも嫌なんでしょう?」
「そう!」
分かってるじゃん、と意気込むと、マナは「やっぱり恋じゃない」と目を細めた。
「だからさ、なんでこのモヤモヤの答えが恋になるかがわからないの!」
「・・・鈍感なのも、ここまで来るとめんどくさいわね」
マナは、本日5度目のため息をついた。

