「色々考えたんだけどねー、やっぱマナは幸せになるべきだと思うんだよ。
で、どうしたらそうなるかと思ったんだけど、
やっぱりマナとして自立して、新たな権威を身に付けるのが一番なんじゃないかと思って」
マナの眉目秀麗さなら、影武者って器じゃなくてもっと上に行けるでしょ。
そう言って、猫舌のあたしにも飲める温度にやっとなった紅茶に口を付けた。
マナは、あまりにも目をまん丸くして固まってる。
あぁ、どうせ「だから庶民は考えが浅はかなのよ」とののしられるんだろうなぁと覚悟した。
の、に。
「それよ!!」
「え!?」
「そんな考え方思いつかなかったわ!」
「え、え?」
「そうね、わたくし、玉の輿を目指すことにするわ!」
えぇぇぇぇ!!それってどうなの!!?
いや、確かにあたしが言ったことだけどね?
(マナの口から“玉の輿”ってやっぱりまだなんか違和感・・・)
こんなリアクションを取られるなんて夢にも思っていなかったから、
今度ぽかんと口を開けたのはあたしの方だった。
「そうよね、わたくし、こんなところで立ち止まっていられないわ!」

