Sの法則-平凡姫と俺様SP-




「あたしメグの方に誕プレ渡しちゃったんだよー。

どうせならマナにあげたかったのになー」



そう事情を説明して頭を抱えた。

だってあたしは、マナの誕生日を祝いに来たんだから。

それなりにお世話になってるのもマナの方だし。

もうちょっと早くこの事実知ってればなー!っていうか、それこそ本当に学校で渡せば良かった!



「───くだらない」



一人葛藤していると、マナはそう吐き捨てる。

ぐ、とあたしは詰まった。

「そりゃぁ、マナにしてみればたいしたものじゃないけどさ」と小さく呟くと、

マナは「あなた、本当にひねくれてるわね」と呆れ顔。



「物なんてなくたって、あなたからのお祝いの言葉と、その気持ちだけで十分なのよ。

・・・マナとして祝われるなんて、いつぶりかしら」

「え?」



あまりに素直な言葉に、思わず聞き返してしまう。

するとマナはよく見る真っ赤な顔をして、「ありがとうってこと!」と叫んだ。

なんだか嬉しくて、くすぐったくて「どういたしまして」とあたしも笑い返す。

そんなあたしを横目で見て「ふん」と顔を逸らしたマナは、本当に可愛くなくて可愛いと思った。