Sの法則-平凡姫と俺様SP-




「え?」

「わたくしの、本当の、名前」



ゆっくりと、彼女の顔があたしを向く。

目は赤くなっていたけれど、その奥底には力が戻っていた。



「わたくし、マナミって言うの。・・・マナって呼んで」

「───うん、マナ」



そう呼び返して、それから「マナ、お誕生日おめでとう」と言うと。

彼女は「生意気」と言ってあたしの頭をはたいた。

そうそう、この感触。

と思ってしまったあたしは、もしかしたら沙紀のせいでM調教されているのだろうか。



「あ、そういえば、誕プレ!」

「誕プレ?」



はっと思い出したあたしの言葉に、メグ・・・とと、マナは不審そうな顔をする。

(この略語が通じる辺り、本当に庶民育ちなのかもしれない・・・いや、疑ってるわけじゃないんだけどさ)



「え、だって双子ってことは、マナも今日誕生日なんだよね!?」

「・・・そりゃそうでしょ?」



何あたりまえのこと言ってるの、とマナの顔に書いてある。

でもあたしの内心はそういう話じゃないんだ。