神谷先生の説明をあたしはゆっくり飲みこんで、そして他人事のように頷いた。
うわぁ、そんな偶然ってあるんだなぁー、まるでドラマみたいだ。
そう思うと同時に、あのおじいさんが生きてたことに安心する。
杖ついてたし、突き飛ばした衝撃で歩けなくなったり支障が出たりしたらどうしようって多少なりとも心配してた。
(今思い出したくせに、とか言わない!)
ほっとして笑ったあたしは、また次の言葉に固まった。
「神谷財閥を救ってくださって、本当にありがとうございました」
───・・・・・・・・・神、谷・・・財閥?
ぽかーんという効果音が付きそうな勢いで固まると、お母さんが呆れたと言いたげに口元を手で押さえた。
「貴方気付いてないの?ここ、あの神谷総合病院よ」
「!!!」
か、神谷総合病院って言ったら!!
テレビでよく紹介されている、芸能人やVIP御用達の最高級日本最大の病院だ。
確かに院長の名前が神谷って言ってたけど・・・!!
え、なんの冗談なの?これは夢?
突然のカミングアウトに付いていけず目を白黒させていると、お兄ちゃんはさらに衝撃的な告白をした。
「ついでに社会に疎いお前に教えといてやるけど。
お前が助けた人は神谷財閥の前会長。
その神谷財閥が経営してるのは───」

