そんな質素な服で、梳かしてもないような髪で、化粧もしてない顔で、ここにいるはずがない。
そういう意味を込めて、あたしは問いかけた。
・・・もう、気付いてしまっていた。
「あの会場にいた“メグ”は、誰?」
さっきまであたしが喋っていた“メグ”は別人なんだって。
いくらお色直しをするからと言って、こんな部屋に隠れるように彼女が一人でいるわけがないもの。
あたしの問いかけに、メグはしばらく沈黙を保った。
けれど、すぐに大きな大きなため息をついた。
「よりによってアンタに知られるなんて、本当に最悪」
諦めたらしいメグは、またため息をついてこちら向きのソファに腰掛けた。
足を組み、背もたれに頬杖をついた彼女の表情は、学校で見る彼女そのもの。
「ぼけっとしてないでアンタも座りなさいよ」と口調までいつも通りだ。
その言葉に従って、あたしは彼女の向かいに座る。

