だから、すっかり失念していたのだ。
「・・・・・・あれ?」
トイレを出た後・・・帰り道が、わからない。
あー、そうだ。あたし方向音痴だった。
沙紀がそばにいるから警備どうこうSPどうこうばっかり気にしていたけどそれ以前の問題だったじゃないか。
しかも、道に迷ったことに気付いたのは、トイレを出てしばらく歩いた後。
似たような景色しかないと言っても、さすがにパーティーのざわめきぐらいは察知出来るはず。
なのに行けども行けども静けさしか訪れない。
「・・・やらかした」
これはあとで沙紀に怒られるに違いない。
そう思いつつも、自分の野性的な勘を信じて見知らぬ廊下を歩く。
せめて誰かいればいいのに、メイドさん執事さんの一人も見当たらない。
だから、
キィッ───

