「あ、これめっちゃおいしい」
「・・・私は、鈴様のその図太さの方が信じられません」
沙紀のため息が聞こえて、あたしは「沙紀も食べる?」と尋ねた。
いいえ、と首を横に振った沙紀は「よくこの中で食に専念できますね。ある意味尊敬します」と言った。
「だって、メグの言うとおり確かに庶民じゃ堪能できない味ばっかだしさ、せっかく呼ばれたんだから食べなきゃ損じゃない?」
「・・・はぁ」
龍世君は、世界の神谷財閥の二世だ。もちろんどこかで捕まっている。
クラスメートも何人か見当たるけど、もちろん彼ら彼女らだって大事な二世三世。
メグは主役だし、沙紀と喋るのもなんか・・・なんかね、だからほら、あたしは食べるしか楽しみがないのさ。
(ただ沙紀はこの見た目のせいか、ちらちらと女性達から視線が集まってる)
沙紀が呆れようとも、いいのいいの。
あたしはそう内心自己完結して、残り半分のローストビーフを口に運ぼうとした時だった。

