───ドキン
あまりに近い距離に、あたしの心臓が跳ね上がる。
一度跳ね上がるともう止まらなくて、ドキドキドキドキ、自分の心音がうるさいくらいだ。
「鈴様?」
いつも呼ばれてる名前も、特別に聞こえる気がしてしまう。
頬が熱を持ってる。
何これ・・・何これ・・・。
「鈴様」
「・・・・・・なによ」
「そういえば、きちんと申し上げてなかったと思いまして」
は?と問い返す。
沙紀の顔がこれまでになく近付いて、あたしの耳元に寄った。
「そのドレス姿、とてもお似合いです。・・・食べてしまいたいくらいに」
【とにかく破壊力をお持ちです】
(「そういえば、試験をお手伝いしたお礼をいただいてませんでしたね」)
(「え?え?」)
(「鈴様をいただいてもよろしいですか?」)
(「・・・っ、よろしいわけあるかーーーーーっ!!!」)