宇佐美さんの言葉に、あたしは思わず声をあげた。
本日何度目だろう・・・本当に、驚かされることばっかりだ。
「だから、今日はいわば前哨戦。いかにして好意を持たれるか、そして好意のある異性に近付くか・・・そんな水面下の戦いでもあるのよ」
「そ、そうなんだ・・・」
だからこんなにもみんな格好に気合いが入って、そして必死に誰かと躍ろうとしてるわけなのか。
「───あれ?ってことはさっきの常陸院君って・・・」
「1番を希望していたのなら、貴方に好意があるんじゃないかしら」
信じられない趣味ですけれど。
そう言って、宇佐美さんは大袈裟にため息をついた。
(その言葉に突っ込まないのは、あたしも心底同感だからだ)
・・・なんとなく、さっきの常陸院君の喜ぶ様を思い出してしまう・・・いやいや、そんなまさか。
そう思いたいのに、なんとなく緊張してしまう。明日うまく顔合わせられるかな。
「そ、そういう宇佐美さんは明日誰と一番に躍るか決めてるの?」
「龍世様よ」
「え?」
「何よ、わたくしの気持ちは貴方もご存知でしょう?・・・まぁ、まだ希望だけで龍世様には申し上げてないけれど」

