「えー、やだよ。あたしそろそろ休みたいわー」
「なんだよそれー」
今声を掛けてくれているこいつは、どこぞやの外資会社の次男だったか。
割とノリが良くてラフな性格をしてるから話しやすい。
(ただ、難しい名字で名前覚えてないんだよね。西園寺だったか伊集院だったか・・・とりあえず3文字)
(申し訳ないとは思ってる)
「じゃぁ明日の1番俺な?」
「はいはい、オッケー」
もう別に誰でもいいや、と思って何も考えずに手を振る。
「よっしゃ!」って、そんなあたしごときと踊るのに躍起になることないのに。
嬉しそうに去って行く彼の背を見ながら、あたしはやっと訪れた開放感にはぁとため息をついた。
タイミング良く流れ始める4曲目を聞き流しながら、邪魔にならないように部屋の隅に向かう。
「ちょっと、そこの庶民」
「アンタは毎度毎度人の呼び止め方にもうちょっとレパートリーないのか」
一日に一回はこの台詞を聞く気がする。
あたしは振り返って・・・そしてあまりの眩しさにあんぐりとしてしまった。

