Sの法則-平凡姫と俺様SP-




「・・・はい」

「え?」



今度目を丸くするのはあたしの方だった。

もう3ヶ月近く沙紀といて、初めて見る・・・沙紀の赤くなった顔。



「───反則、ですよ」



そんなに綺麗になるなんて。

ボソリと付け足された言葉に、赤くなるのはあたしの方だった。

なによ。普段バカにしてばっかりのくせして。

二人して顔を背けて固まってると「真城ー!早く来い!」と更科先生に呼ばれた。



「あ、はい!」



そう言って体の方向を変えたあたしだけど、すぐに腕を捕まれる。



「何?沙紀」



掴んだのが沙紀だってすぐに気付いたけれど、なんだか気恥ずかしくて顔が見れない。

あたしの腕を掴んでいた大きな綺麗な手は、すっと撫でるようにあたしの腕を伝って触れると、そのまま手を取った。



「エスコート、させていただきます」



沙紀の手に触れられたあたしの手はちっとも動かない。

───本当に俺様なんだから。

動かないのは、沙紀が有無を言わせぬ行動を取ったからだと本気で思ってた。

・・・自分自身が離したくないって感じていたなんて、ちっとも考えなかった。