すでに出口に向かいだしたみんなの背中を追いかけようとしたけれど、はたと気付いて振り返る。
「あのっ・・・ありがとうございました!」
あたしのお礼にメイドさん達はきょとんとしたけれど、すぐに嬉しそうに笑ってくれた。
その笑顔に満足して、あたしは今度こそ走って更衣室のドアを開ける。
たとえ沙紀に「馬子にも衣装」と言われようと、メイドさん達の笑顔であたしは満足だ。
「沙紀!」
さぁ、なんて毒舌が返ってくるでしょうか。
覚悟を決めて、あたしは目の前に直立不動をしているSPの名前を呼ぶ。
「鈴様、遅か・・・」
沙紀は、あたしを見付けるとだんだんその目を大きく見開いた。
「何なのよ、その反応」と不服に思いながら、沙紀に近付く。
沙紀は本当にあたしを見たまま固まっていた。
「沙紀?沙ー紀ー!」
「え、あっ・・・申し訳ありません」
「何ー?あたしに見惚れちゃったー?」
冗談交じりににしし、と笑ってみせる。

