「さぁ、完成ですよ。目を開けてください」
その言葉に目をゆっくりと開く。
鏡が光を反射するせいで余計まぶしくて、一瞬目を細めた。
だんだん焦点が合って、鏡の中の自分に気付く。
「本当にかわいらしいですわ」
「えぇ、神谷のご令嬢というのも納得です」
後ろでメイドさん達がいっぱい褒めてくれるけど・・・確かに鏡の中のあたしは別人だ。
嘘みたい、と呟いて自分の頬をつねる。
全然、嘘でも夢でもなかった。
「わぁ、鈴ちゃんすっごく可愛い!」
「普段お化粧されてないから、その分すごく映えるわね」
「ドレスもとってもお似合いだわ!」
あたしを待っててくれたらしいののかちゃん達が口々に褒めてくれる。
振り返ると、ののかちゃんはピンク、真央ちゃんは水色、香織ちゃんは紫のドレスを着ていて、みんなも別人のように可愛かった。
だから素直に、「ありがとう、みんなも似合ってるよ」と言うと嬉しそうに笑ってくれる。
「さぁさ、リハーサルのお時間ですよ」
お局さんに言われて、あたしははっと我に返って立ち上がった。
気付いたら更衣室の中にはあたし達を含めて数人しか残っていない。
沙紀にも早く来いって言われてたっけ、と急がなきゃいけないことに気付いた。

