「先ほどから気になっておりましたが、鈴様ははしたない声を上げすぎでございます」
「いや、そうじゃなくてね!?本番用って嘘でしょ!?」
確かに袋から見えるドレスは、聞いていた通りのレモンイエローだけどさ。
あたしの言葉に、沙紀は「本当でございます」と優雅に微笑んでみせる。
「汚さないように気をつけるけど・・・こう、練習用のドレスみたいなのってないのかな・・・」
わがままをしている自覚はあった。
だからおそるおそる、機嫌を伺うように尋ねる。
すると、沙紀はしばらくあたしをじっと見つめたけれど、すぐにまた笑顔に戻る。
その表情・・・裏がある。
そう思ったあたしの勘は大当たりだ。
「ドレスを新調するしかなかったのですが、時間があまりになく1着が限度だったようです」
「別にお古でも全然気にしないんだけど」
「仕方ないではありませんか、鈴様のバストサイズに合うドレスが無かったのですから」
「うるさいわこのセクハラ男!!!」
周りの目も気にせず怒鳴り、すでにみんな入ってしまった更衣室にあたしはさっさと向かったのだった。
後ろから、「早くお戻りくださいね」という沙紀の声を聞きながら。

