Sの法則-平凡姫と俺様SP-




タイミング良く舞踏館の更衣室に着き、沙紀から袋を受け取る。

その沙紀は相変わらず嫌味なくらい笑顔だ。



「ちょっと沙紀、なんで教えてくれなかったのよ」



中に入っているドレスっぽい生地を確認した後、ジロリと沙紀を八つ当たり混じりに睨む。

あたしなりに渾身の怒りを込めたつもりなんだけど。

なのに、沙紀はまったく悪びれない涼やかな笑顔を見せ、



「ダンスパーティーに関して、私は敵なのでしょう?」



と言った。

ぐ、と詰まるのはあたしの番。

たしかにそんなこと言ったけど、こういう仕返しの仕方するなんて・・・!

(この性悪男!!)

黙り込んだあたしを見て沙紀は満足そうに微笑むと、

「早く着替えて来てくださいね」とあたしの背を叩く。



「あ、それと」

「ん?」

「そのドレスは明日もお使いになる本番のドレスです。くれぐれも汚しませんよう」



はぁっ!?とあたしが声を上げれば、沙紀は呆れた顔をした。