「なんか飴と鞭の使い方うまいよね」

「そうですか?」

「もはや、鞭鞭鞭飴くらいだけど」



本当にドSなんだから。

窓に肘をかけて流れゆく外の景色を見つめる。

見慣れ始めてきたその景色に、家まであと10分くらいかなーなんてぼんやりと考えた。



「ならば、鈴様は鞭とロウソクの方がお好みですか?」

「はぁ!?あたしはMじゃない!」



バカにするかのように笑って放たれた沙紀の言葉に、刃向かってあたしは体を起こして声の主に体を向ける。



「───なら、鞭とお菓子は、お好みですか?」



そう言って、あたしの膝に載せられた、見慣れた真っ白なビニール袋。

昔はしょっちゅう手にしていた・・・スーパーの、袋。

え、と思いながら袋と沙紀の顔を見比べる。

微動だにせず笑みを浮かべる沙紀の表情に促され、固結びされた持ち手を慌ててほどいて中を見た。



「これ・・・」

「鈴様のリクエスト通りですよ」