手術をしたってことは、しかもそれが内臓ってことは、胸んとこ捲られたってことだよね。

コードのつながった腕を必死に動かして胸をぺたぺた触っていると、

「もう一回殴るぞ」とお兄ちゃんはキラキラした笑顔で拳を構えた。

ごめんなさい。調子に乗りました。だからやめてください。すでに身体中痛いんです。

いや、これ本当に。こう見えて。

(実際、今お腹に触れた時に激痛が走った)



でも、本当にそんな話が嘘だって思ってしまうくらい今あたしの意識はしっかりしている。

じんわりと鈍い痛みはずっと響いているけれど、今すぐ走り出せそうな精神的な元気さは取り戻している。

あたしタフだなぁ、なんて客観的に思った。



「本当に死ぬ間際だったんだからな。5日くらい目覚まさなかったんだぞ」

「あ、いっぱい寝たから元気なのか、あたし」

「お前を心配した俺が馬鹿だったよ」