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「ずいぶんスパルタみたいだね、沙紀は」
夕食の席で、龍世君が困ったように微笑み掛けてくれる。
あたしのリクエストで本日は和食。
肉じゃがを口に運びながら、あたしは「ははは・・・」と空笑いするしかできない。
(肉じゃがおいしいなぁ・・・どうせ使ってる食材から違うんだろうなぁ・・・)
「辛かったら、僕が変わりに教えてあげられるよ?」
「うん、死にそうになったら助け求めるかも・・・って、龍世君こそ帰国したばっかりでテストなのに落ち着いてるね?」
素朴な疑問を口にしたら、龍世君は苦笑した。
その笑みの意味が分からないでいると、「鈴様」と沙紀が口を開いた。
「龍世様は、すでにアメリカの大学まで卒業されております」
「は!?」
「飛び級制度をご存知ありませんか?」
いや、知ってるけど・・・。
あたしは手元の箸からじゃがいもが転げ落ちたのにも気付かず、あたしはポカーンと龍世君の顔を見つめた。
「そんなに見つめられると恥ずかしいな」とか言ってるけど、それどころじゃないって。

