Sの法則-平凡姫と俺様SP-




***





「ずいぶんスパルタみたいだね、沙紀は」



夕食の席で、龍世君が困ったように微笑み掛けてくれる。

あたしのリクエストで本日は和食。

肉じゃがを口に運びながら、あたしは「ははは・・・」と空笑いするしかできない。

(肉じゃがおいしいなぁ・・・どうせ使ってる食材から違うんだろうなぁ・・・)



「辛かったら、僕が変わりに教えてあげられるよ?」

「うん、死にそうになったら助け求めるかも・・・って、龍世君こそ帰国したばっかりでテストなのに落ち着いてるね?」



素朴な疑問を口にしたら、龍世君は苦笑した。

その笑みの意味が分からないでいると、「鈴様」と沙紀が口を開いた。



「龍世様は、すでにアメリカの大学まで卒業されております」

「は!?」

「飛び級制度をご存知ありませんか?」



いや、知ってるけど・・・。

あたしは手元の箸からじゃがいもが転げ落ちたのにも気付かず、あたしはポカーンと龍世君の顔を見つめた。

「そんなに見つめられると恥ずかしいな」とか言ってるけど、それどころじゃないって。