っていうか、再試になったらまた宇佐美さん達が騒ぎ立てたり、せっかく友達になった人達もどん引きするんじゃ・・・?

再試を取った後のドロドロの学校生活が一気に脳裏をよぎり、あたしの顔は一瞬にして青ざめた。

そして、冒頭に戻るわけである。



「大丈夫ですわ、鈴ちゃん!私たちが精一杯サポートしますから!」

「まだ諦めるのは早くてよ!今日からでも一緒に頑張りましょう!」



完全に固まってしまったあたしを励ますために、ののかちゃん達が来てくれる。

いい友達を持ったものだ・・・とジーンとしていると。



「皆様、お気持ちは嬉しいのですが、今回は遠慮させていただきます」



悪魔の声。

「沙紀!?」と振り返ると、真央ちゃんの目をハートにするようなキラキラとした爽やかな笑顔が目に入った。



「お嬢様方の手を患わせて、結果皆様の成績が下がっては元も子もありませんからね。

どうぞご自分のことに集中なさってください」

「え、でも・・・」



沙紀の言葉に渋ってくれるののかちゃん。

「大丈夫です」と沙紀は優しく微笑んで、そしてあたしを見た。



「鈴様の勉強は、この沙紀が責任を持って見させていただきますから」



・・・その顔は、般若にしか見えなかった。