「改めまして、本日は龍世君のおかえりなさいパーティーです!」
「思いきり騒いでください!」と付け足せば、
ノリのいいクラスメートの一部から「おー!」と声が上がった。
それにクスクスと笑いが漏れ、なんだか部屋は明るい雰囲気。
「あ、あと!
机の上の卵焼きは私が作ったので、庶民の味を体感したい人はご賞味あれー」
・・・このセリフにはざわつくってどういう意味だろうか。
何、喧嘩売られてる?
(あたしだって料理くらいできるわよ!)
その空気を打ち破るようにわざと大きな咳払いをし、あたしは言葉を続けた。
「それでは、乾杯の代わりに『おかえりなさい』で行きましょう!
龍世くん、おかえりなさーいっ!!」
「「「「「「「「「「おかえりなさい!」」」」」」」」」」
明るい声が響き渡り、ワイングラスがまた持ち上がってキラキラと光った。
あたしは見逃してないんだ。
宇佐美さんの口も、小さく「おかえりなさい」って動いたこと。

