Sの法則-平凡姫と俺様SP-




───それから、数分。

食堂の扉がきぃっと開いたのを見て、あたしは「せーのっ!」と声を上げた。

パパパパパパン!

部屋中に、明るい大きな音が響き渡る。



「おかえりなさい、龍世君!」



視界を散るカラフルな紙リボンと紙吹雪が減り、目をまん丸くした龍世君の顔。

そして、あたしの言葉を皮切りに、次々に「おかえりなさい!」という声が口々に響き渡る。

そう、あたしの企画は、龍世君のおかえりなさいパーティーだったのだ。



「鈴ちゃん、これ・・・」

「びっくりしたー?たまには大騒ぎするのもいいかなと思って」



庶民派だけどさ、と付け足して、はははと笑いながら頭を掻く。

龍世君はやっとその顔に微笑みを称えて、「ありがとう」と言ってくれた。

今まで見た龍世君の笑顔の中で、一番柔らかいものだと思った。

それに満足がいったので、



「グラスをお持ちくださーい!」



と声を掛ける。

ノンアルコールシャンパンの入った細身のグラスが次々に持ち上がり、ライトを反射してキラキラ光った。