「そう、仕事!本日の主役を呼びに行ってくれる?」
「なっ!」
あたしの言葉に、宇佐美さんの顔が驚きに染まった。
それから、赤くなって「そんなのアンタが行きなさいよ!」と言う。
「どうしてわたくしがそんな使いっ走りみたいなことを・・・」
「いやー、あたしちょっと手が離せないからさー?」
「だからって、執事にでも行かせれば・・・!!」
「はいはい、文句言ってないで行った行った」
ぎゃぁぎゃぁとうるさい宇佐美さんを追い払うように手を振る。
そして、こそりと小さな声で付け足した。
「・・・龍世君の部屋を見るチャンスだと思うけどなー」
「~~~っ!!!わたくし、本当にあなたが大嫌いだわ!!!」
そう叫んで、宇佐美さんは神谷の執事さんと一緒に部屋を出て行った。
まったく、本当に素直じゃないんだから。
と思いながらその背を見送った。
「素直じゃないのは鈴様も同じではないのですか?」
「うるさいなぁ、いいの!これで!」
まったく沙紀は余計なことを。
赤くなった頬を隠すように、「沙紀も早く準備して」とクラッカーを渡した。
「かしこまりました」と沙紀が笑ったけれど、その笑顔はなんだかあたしを子ども扱いしているようで、ちょっとだけ腹が立つ。

