そういえば、神谷先生に最近全然会ってないや。
奥さんは・・・確か海外でお仕事してるんだっけ?
今日は龍世君が帰ってきたんだし、早めにご帰宅とか連絡の一本とかないんだろうか。
そう思ってあたしもサラダを食べながら執事さんに視線を向ける。
「旦那様は今日も仕事でございます。奥様からご連絡はありません」
「そっか」
機械的な答え、そして期待していなかった答え。
・・・なんとなく、龍世君の顔が寂しそうに曇ったように見えた。
「龍世君・・・」
「大丈夫だよ、いつものことだし。それに、今日は鈴ちゃんが一緒にいてくれるから」
龍世君はすぐに顔を変わらぬ穏やかな微笑みに切り替えてあたしを見た。
その笑顔は、なんだかさっきよりも強ばってるように感じる。
・・・無理、してるのかな。
無駄に広い部屋に、多すぎるぐらいの御飯。
メイドさんや執事さんはいるのに、みんな絵のように黙って立っているだけ。
あたしたちが喋らなければ、響くのはナイフとフォークの音だけ───
なんだか、寂しい。と、思った。

