「ん?なに?」
「あのさ・・・食事の前に確認しておきたいんだけど・・・宇佐美さん、どうだった?」
本当に、おそるおそる。
そんなあたしの小さくなっていく声に、龍世君は目をまん丸くした後、「あぁ!」と気付いたように頷いて微笑んだ。
「気にしなくて大丈夫だよ、鈴ちゃん」
「ホント?」
「うん。大丈夫。・・・鈴ちゃんは、優しいね」
なにがどう大丈夫か、そう聞きたかったのに、なんだかあたしの褒め言葉で丸め込まれてしまってあたしは黙る他無かった。
龍世君は、口調も表情も穏やかだけど、やはり神谷の人間というかなんというか、有無を言わせない絶対的な迫力を兼ね備える人だった。
今度こそ「いただきます」と言って食事を始めた彼を横目で見て、なにを考えてるか分からないなーなんて思う。
「そういえば、今日父さんと母さんは?」
数口食べた後、ワイングラスにノンアルコールシャンパンを注ぐ執事さんに、龍世君は問いかけた。

