ね?と微笑まれて、あたしは「う」と詰まった。
イケメンに興味がないと言っても、やっぱり至近距離で微笑まれると弱い。
「それじゃぁ・・・」と言って座ろうとしたけど、
「って!」 がっ!
押された椅子と膝裏が変なタイミングでごっつん。
このマナーだけは、沙紀と練習してもどうしても苦手なんだよ。
「だから言ったのに」と言わんばかりの沙紀のため息が聞こえた。
うるさいな。
「鈴ちゃん!ごめん、大丈夫!?」
「あー、大丈夫大丈夫。あたしが苦手なんだよねー」
それに比べて龍世君の優しいこと。
彼に向かって笑った後、「どうだ」という意味を込めて沙紀を見た。
・・・鼻で笑われた。(後で絶対痛い目見せてやる!)
「沙紀も、良かったら食べるかい?」
あたしの視線を追ったらしい龍世君が沙紀に声を掛けた。
沙紀はと言えば、一瞬で顔をSPのものに戻すと「ありがたきお言葉」とだけ言って頭を下げた。
「そっか。───じゃ、鈴ちゃん食べよ!」
龍世君は無邪気に笑って、あたしの隣に腰掛ける。
そしていただきます、と手を合わせようとした彼を「ちょっと待って!」と思わず引き留めた。

