「かわいい顔が台無しだよ?めぐみちゃん」
「りゅ、りゅうせいさま・・・!」
彼は、沙希に負けず劣らず綺麗な顔をしていた。
沙希が大人のフェロモン満載のイケメンならば、彼はかわいいらしい王子様。
柔らかい声は甘い言葉を紡いで、彼女の顔をさらに赤くさせる。
それはそうと、“りゅうせい”ってまさか・・・
「君が鈴ちゃんだよね?」
確信に近い“まさか”に驚き目を見開いていると、彼はあたしの顔を覗き込んだ。
イメージ通りだ、ときゅっとたれ目が細くなる。
「父さんから君のことは聞いてたんだ。
僕は神谷龍世。神谷総合病院院長の息子だよ」
よろしくね、と言って彼はあたしの頭を撫でた。
「龍世様。お久しぶりでございます」
「沙紀のことも聞いているよ。よく鈴ちゃんを守ってくれているみたいだね?」
「もったいないお言葉でございます」
いかにも主従関係、ととれる会話を耳にしながら、ふと宇佐美さんに視線を移す。
さっきまで振り上げられていた、そして“龍世様”に抑えられていた右の手首を左手で押さえ、真っ赤になって泣きそうになっている。
「・・・っ!」
そしてそのまま教室を飛び出していってしまった。

