「本当にずうずうしいわね!庶民のくせに!」
「でも、あたしは“龍世様”となにも関係ないし」
あ、と思わず口を押さえた。
いけない、心の声が零れた。
もしかして・・・ここで龍世様?を絡めたのは地雷だったのではないだろうか。
わなわなと震えだした宇佐美さんを見て、おそるおそる再び口を開く。
「あの、「誰が龍世様の名前を出したと言うの!!?」
訂正、地雷じゃなくて火に油だったみたいだ。
「いや、うん、さすがにごめん、そんなつもりじゃ「口答えするんじゃないわよ!この庶民!!身の程をわきまえなさい!!!」
謝ろうとしたけれど怒鳴って遮られ、そして手を振り上げられる。
あーあー、女の子がそんな行動取っちゃだめだろう。
そう思いながらも、来る衝撃に備えてぎゅっと目を閉じた。
「こーら!」
けれどその衝撃はいつまでも来ることがない。
それどころか、割り込んだらしい?声に目を開けば、目に鮮やかなキラキラの金髪の男の子が彼女とあたしの間に立っていた。
よくよく見れば、彼が彼女の手首を掴んでる。

