だからこそ。
あんな未来が待ち受けていただなんて、
あたしも、家族も、友達も、
誰も予想しなかったことだろう。
「危ないっ!!!」
全速力で走るあたしの目についたのは一人のおじいさんだった。
その人は、青信号は点滅し始めたというのに、まだ横断歩道の真ん中付近にしか到達していない。
その一方で、おじいさんがいる横断歩道にスピードを緩めることなくせまる大きなトラックが目に入って、
あたしの頭は「やばい」という言葉でいっぱいになった。
一か八かでスピードを緩めることなく横断歩道に突っ込んだあたし───
無我夢中で、
おじいさんを突き飛ばした気がする。
そして大きな衝撃があたしの体を襲うと同時に、
痛みなんて感じる暇もなく、
あたしの意識は、闇に落ちた。

