「もう鈴ちゃんたら。そんなことを言ったらまた宇佐美さんたちににらまれちゃうわよ」



心配そうにののかちゃんが眉を下げて声を細めた。



「いいよいいよ、もはやいつものことだし」



一々相手してるのも時間の無駄、という意味で手をヒラヒラさせると、香織ちゃんが「そうよ、気にすること無いわ!」と語気を強めた。



「宇佐美さんはただの僻みよ!本当は鈴ちゃんがうらやましいだけだわ!」

「うらやましいねぇ・・・なんだろ、庶民のくせに金持ちの家住んでるから?」



いや、宇佐美さん金持ちだからそんなことないか。

そう自分で突っ込みを入れると、真央ちゃんが小さな声で「ここだけの話ね、宇佐美さんりゅうせい様にご執心だから」と教えてくれた。

「そうなの!?」と大きな声を上げてしまったあたしに「しー!」と慌てた様子で三人とも人差し指を口に当てた。



「あ、ごめんごめん。

で、結局のところ、そのりゅうせい様って何者なの?」



あたしの言葉にののかちゃんが辺りをちらりと見回すと、「あのね」と言葉を続ける。