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「ねぇ、沙希」

「なんです?」



その後、あたしはののかちゃんのおうちでお夕飯までごちそうになり、写真を見せてもらった可愛いわんちゃんとも遊んだ。

(本名は長いカタカナ過ぎて良く覚えてないけど、アントワネットって呼んだ)

また来週ね!と今度は迷わず手を大きく振ったののかちゃんに、負けないくらい大きく手を振り返し、

あたしは今迎えに来た神谷家のリムジンで沙希と帰宅路についている。



「もしかして、あたしが庶民なことにののかちゃんは気付いてるって知ってた?」



この問いかけに沙希が「どうしてそう思うんです?」なんてしらばっくれるから、「だって」とあたしは口を尖らせた。



「あたしが、ののかちゃんのことで凹んでたら沙希めっちゃ慰めてくれたじゃん」

「・・・」

「あれ、沙希が事情を知っていて、“凹んでるなんてこいつバカだなぁ”と思ってあたしを見ていたとしたなら、なんか沙希っぽくて納得いくんだよね」



そう言ったら、沙希は「はぁぁ」と聞えよがしなため息をついて窓枠に頬杖をついた。