考えてみれば、彼女たちくらいの財力や権力をもってすれば、個人情報を探るなんてたやすいんだろう。
あたしがどこの出身かなんて隠し通せるはずもない。
むしろ、入学してからよく二週間も誤魔化せたなとさえ思った。
「どおりで、神谷の血を少しでも引く割に冴えない子だと思ったわ。
常識外れの行動も、ださい気品も、微塵も存在しないオーラも納得ね」
「・・・」
「どうやって神谷財閥に取り込んだのか知らないけど、図々しいのよ。この庶民!」
どうやら、さすがにあたしの身体の中にある家宝のことまでは知らないようだった。
(まぁトップシークレットだって沙希も言ってたし)
腰に手を当てて「どうよ」と言いたげにあたしを見下している彼女になんて言おうか頬を掻く。
彼女が言ってることは悔しいけど全部当たってる。
「ねぇ、野々宮さん?貴方、下心があったんでしょう?」
「・・・っ!!!」
けれど、あたしが何か言うより早く、宇佐美さんはののかちゃんに言葉を向けた。

