お姫様カットに切り揃えられたロングヘアはピンクがかった栗色で、顔のパーツはどれも小さいけれど上品なバランス。
白いバルコニーでレースの編み物とロッキングチェアが似合いそうな、可愛らしい女の子像を全部詰め込んだ風貌だった。
「ペア毎に座ってください」という先生の指示を受けて彼女はあたしの横の机に座ると、
持ってきていた教科書類と筆箱を机の上に置く。
そしてまっすぐに背筋を伸ばして、レポートの内容を説明する先生の話を熱心に聞き出した。
───物好きなお嬢様もいるんだなぁ
失礼なことを考えながら横目で彼女を見る。
そして、その筆箱に付けられているマスコットが、前に由美が好きだった某ゆるキャラであることに気付いてびっくりした。
お嬢様はキャラ物なんて使わない、は偏見だったのかな。

