「真、城・・・さん?」
それとも前の方に一人空席がいたから、休みの人と組むのかな?
え、それってほぼ一人でやれってことじゃん。無理じゃない?あたしバカなのに。
テスト自信ないから提出物で基礎点稼ごうと思ってたのになぁ。
沙希に教わろうか・・・いやいや、無理。絶対それ自殺行為。
「ま、真城さん!」
「はい!!」
意を決しました、というような強い呼びかけを受けて我に返りあたしはガタガタと椅子の音を立てて立ち上がった。
その音のせいでしーんとしてしまった教室の中、あたしは目の前に立っている女の子を見て驚く。
だって、あたしを呼ぶのなんて先生ぐらいかと思ったら、同じ制服を着た女の子だったから。
これすなわち、クラスメート・・・だよ、ね?
「わ、私と・・・」
さっきの大声はよほど勇気を出したんだろう。
そう察するぐらいか細い可愛い声だった。
彼女は俯いて手をこすり合わせながら、必死に言葉を探しているようで。

