〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―



…あった、視聴覚室。



ここで、軽音楽部の演奏がある。


ギターやベースの音が聞こえ、機材をいじる音も聞こえた。



静かに、中に入る。


そこには、スピーカーやいろいろな機材が置かれ、沢山のコードが床を這っていた。



…これでも、わたしは一応スピーカーの位置やらコードがなんやらというのは、わかる方なのだ。


多分、人より少しは。



そんなわたしから見たら、この位置は


(最悪…かな。)


うん、やたらとスピーカーが変な方向向いてるし、マイクの音量も調節しきれてない。


先生が前に立って話しているが、たまにキーンとみみを裂くような音が混じる。


『えー、私たち軽音楽部は、
吹奏楽部と違い、ただ演奏をするだけでなく、音響、音の響きを意識してですね、
スピーカーや機材の位置を自分達で決めるんです。』



こうやって聞いてるとすごいように聞こえるけど、言ってるわりにできてませんからね。



『それではお待たせいたしました、ワンバンド目、[サンシャインズ]です!!』



…これは、こない方がよかったかも。




スピーカーの位置のせいで、ベースとギターが大きく、全体的にバランスが悪い。


音量調節もなってなくて、ボーカルが聞こえない。



「♪~♪~♪~…ッ────…あれ?」



…うっわ、しかもギター途中で音消えたし。


多分コードが原因なんだろうけど。




『っえー、失礼しました。


ギターの方で、なんか…おい、ゆっくん。

大丈夫かー?』



…ベースの彼はウケでも狙っているのか、話すことがないのか。


「…あれ、おかしいな。


♪ッ♪ッ…音が…あれ?」



ギターのコードが繋がっている機材をいじってみたり、音量調節の人を動かしてみたり。



…はぁ、まったく。










見てらんないね。