朝、学校へ登校する。
すると、廊下で一ノ瀬先輩に会った。
「あ、先輩。
おはようございます。」
わたしはそう言って軽く会釈すると、すれ違おうとした。
しかし先輩に腕を掴まれてしまう。
「おい、それだけ…かよ。」
「はい?」
「オマエ俺のこと好きなんだろ!?
毎日、告白するんだろ!?
…ははっ、もう諦めたってか。」
「あ、ち、違います!
言おうとしてたんです!」
「どうだか。」
「ほんとですって!!
一ノ瀬先輩、今日もカッコいいですね~!
好きです!
付き合ってください!」
「やだね。
バーカ。」
危な、かった…!
先輩が疑り深くなくて良かった。
ギリギリ、バレてないよね…?
そう思った日の、放課後。
今日は部活があって、HRが早めに終わったので、早めに部室に向かった。
(一番乗りだろーなー♪)
そう思ったのに、中から話し声が聞こえる。
だれだろ?
そう思い、ドアの取っ手に手をかけたとき。
「高条…アイツ、なんか変じゃねーか?」
それは、確実に一ノ瀬先輩の声だった。
伸びた手が、ピタッと止まる。
「…なんで、そう思うの?」
話の相手は、東先輩か…。