〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―



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そして、体験入学当日。


わたしは、バスで柴多第1高校へと向かった。



着いてみると、意外と綺麗だった。

中庭もあるし、校舎も悪くない。

もういっそのこと、ここにしてしまおうか。



説明会を聞き終わり、隣の子達のお喋りに疲れながらもフラフラと体育館を出る。


そして、解放されていた図書室の椅子に、ゆっくりと座る。


辺りを見回すと、図書室にはわたしの他にも、4、5人いるのが見えた。


今からは部活見学の時間だ。

他の人は当然、気になる部活動の所にいるんだろう。


しかしわたしは、部活動なんて入る気はさらさらなかった。


どこからか、微かに吹奏楽部の演奏が聞こえた。