…つもりだった。





ガシッ



先輩に腕を掴まれる。

バレちゃったかな、わたしが一ノ瀬先輩のこと好きって…


だから、きっと怒ってるんだろうな。



「符和ちゃん…













      …彼はキーボード弾かないよ?」







…はっ?



「いや、弾いてるじゃないですか!!」



「それに、なんで俊が出てくるか分かんないんだけど…」



「それはっ…!!


一ノ瀬先輩が、好きなんじゃないんですか…?」







「あたしが!?



俊を!?




ナイナイ!!!


ぜっっったいありえないわー!!」



東先輩は、豪快にゲラゲラと笑った。



え、じゃあ東先輩が好きなのって…















誰!?





















「せ、先輩の好きな人って…


一ノ瀬先輩じゃなきゃ誰なんですか!!」




「え、あの…えと、ベースの、桜木くん…」



ええええええ!?



「あの、クールなイケメンさんですか!?」



「う、うん…///////」



じゃあ、盛大なわたしの勘違い…









「ぅぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ…」




ぷしゅー、と音をたてて、顔から火が出た。






「でも、勘違いするって事は…


俊のこと、好きなの?」





ば、ばれちゃったし…






「う、はい。」



「そっかー。



あっ、あたしと俊が仲いいのは、幼なじみだから!


ちなみに、あたしに頭が上がらないのは昔っからだよ?」




…あれは幼なじみだったからなのか。