わたしの家は、歩いて30分のところにある。
その間、なにを話せと?
現時点、歩いて五分で沈黙だというのに。
うぅ~~~~~~~~~…つらいよ!!
この沈黙が、つらい!!
(先輩、なんかしゃべって…!)
そんなわたしの思いが通じたのか、先輩が言う。
「それにしてもよかったな、その靴。」
「え、あ、はいっ!!」
「オレが行くのがもう少し遅かったら、切り刻まれてたぞ。」
「は、はぃ?」
「袴田、はさみ持ってたし。」
ひいいいいいいいいいいいい!!
マジですか!?
そこまでやりますか!?
「…先輩、改めてありがとうございました。」
「いやいや、別にどーってことねーよ。」
…なんだろう、先輩が優しい(?)
昼間より、ずっと優しい。
もしかして、こっちが本当の先輩?


